「はい、」
『あ、あははは、超ラッキー?リオの気まぐれ応答にぶつかったぁ』
「切る、」
『切ったらある事ない事伊万里君に吹き込むよ~』
「ちっ・・・」
軽く不機嫌な声音で歓迎ムードでない『はい』を響かせると、こちらの不機嫌などまるで気遣う気のない声音が聞こえて携帯を軽く耳から離した。
そのまま通話を続ける気もなく速攻で切ろうかと思えば、それを阻んで危険な事を言いだす男。
渋々携帯を耳に戻せばそんな光景をまるでどこからか捉えている様に、
『うん、良い子』
「何の用?」
『ん~?一緒に飲まない?』
「飲まない」
『って、誘おうと会社前で張ってたんだけど、』
「そんな気がして裏口から帰った」
『酷いなぁ~。寒い中待ってたのに』
寒かろうが暑かろうが知った事か。
約束をしていたわけじゃないし、全部そっちが勝手にした事だ。
それに鉢合わせていたとしても今日は本当にまっすぐ帰ってジッポ探しに徹したかったから結果は一緒だろう。
まぁ、こうして見つからなかったわけだけど。
しかも、疲労と落胆に満ちてるタイミングにこの声を聞くことになるなんて。
ますます疲労が増すと、片づけを放棄して自室から廊下へ。
喉も渇いたしと向かったのはキッチンで冷蔵庫に手をかけたその瞬間。



