ここまで溜め込んでいた感情の爆発。
そんな感じに人目を憚らず叫び声を上げた小田が勢いよくしゃがみ込んで膝を抱える。
ジロジロと見てくる通行人に『お気になさらず』と声をかけながら、しゃがみ込んだ小田の腕を掴んで引き上げると今度は自分が誘導する様に引いて歩いて近くのベンチへ。
そんな誘導に特に声も発さず、促されるままストンと座った小田の表情は険しい。
険しいけれど・・・悔し涙潤む赤ら顔と言うのか。
そんな小田と改めてジロリとした視線が絡めば、
「っ・・・何ですか!あの人!」
「あー・・・亜豆の元彼?六花化粧品の仕事持って行ったライバル社員で、」
「知ってますよ!」
「はい、すみません」
いや、知ってることを知ってると知った上での発言よ?
少しは和ませられないかと俺なりの微々たる努力というか気遣いというか。
でも、気が立ってる小田には苛立ち煽る様な言葉だったかと静かに反省。
そんな間にも『ムカつく』を連呼しバシバシと自分の膝を叩いている小田は相当三ケ月の言葉に堪えているんだろう。
そりゃあそうだよな。
亜豆の類似品扱いされたような言葉を投げられ、それに嫌味は皆無で同情された様な流れであったのだから。



