ヒロインの選択次第だって?
そんなの、
「亜豆がお前の誘いに乗る筈ないだろ」
馬鹿らしい。と、これだけは自信をもって突っぱねて、その瞬間にさっき跡付けられた個所がジワリと疼く。
亜豆は・・・呆れる程俺馬鹿なんだから。
首元に触れていたのは無意識。
コートの上から先程の感触を思いだして亜豆の独占欲に僅かに口の端が上がり、小さくも優越に染まったというのに。
クスリ・・・。
そんな響きが優越に小さくヒビを入れる。
それを確かめる様に視線を上げれば・・・ムカつく笑みの健在。
「もう、誘いに乗ってもらってたら問題なし?」
「・・・・はっ?」
「約束済みのお迎えなら伊万里くんの許可なんてまず必要ないし・・・何の力もない」
「何言って・・」
「リオが俺と会う筈がない?なんでそんな事思えちゃうのかなぁ?自分だって小田ちゃんとどこか行くつもりだったんでしょ?」
「ただの食事だよ。ここにはいないけどもう一人連れもいるし亜豆も把握して納得しての今だよ」
「つまり、やましい感情はないからって伊万里くんの意識を信用してのリオの許可なわけでしょ?そんな意識と感覚でいるリオがさ、自分の事だけ貞節守るように行動制限すると思う?」
「っ・・・」
「そうだな。・・・『やましい感情ないのに会っちゃダメなんですか?』・・・そう言いそうだよねリオ」
「なっ・・」
「そう言われたら・・・伊万里くん、リオにだけ偉そうに制限できるの?」
「っ・・・」
出来ないでしょ?
そんな風に笑う姿に言い返したいのに言葉が浮かばない。



