絶妙な加減が難しい。
警戒を解いてもいけないし、強めすぎてもいけないなんて。
発せられる言葉も裏を読んでいいのか表のままなのか。
話し込めば話し込むほど判断に迷い始める感覚すら相手の手の内な気がしてくる。
そんな戸惑いの浮上こそが隙。
「まぁ、そーんな警戒しないでよ」
「させてるのは誰だよ」
「俺?嫌だなぁ、俺はただ普通に挨拶程度に声かけただけだよ」
「そもそも、何でここに居るんだよ。IS広告社の三ケ月さん」
「何で?普通に彼女とデートすべくお迎えですよ?」
「っ・・・亜豆に近づくな」
「フッ・・あはは、面白いなぁ。俺『リオ』とは一言も言ってないのに」
「っ・・・」
「リオの彼氏は自分だって主張しといて、なんだかんだ俺がリオを【彼女】と主張してるのも認めてる?」
「認めてねぇよ」
「ま、どっちでもいいけどねぇ。どっちがヒーローになるかはいつだってヒロインの選択次第だし」
「っ・・・・」
ああ、しまった。
いつの間にかこいつの会話のペースに乗せられてしまっていた。
そう気がつけば自分に対して心の中で舌打ちしグッと奥歯を噛みしめる。
そんな俺の心情なんて全て見透かしているような水色にも腹が立つ。



