その声のした方へ意識を向ければ、すぐ近くの柱に寄りかかってにっこりと他者を魅了せんばかりの笑みを浮かべひらりと手を振ってくる姿。
三ケ月・・・。
何でここに居るんだ。と今まで浮かべていた笑みや気分など一瞬で捨て去って、威嚇するような目と意識を突き立てるように向けてしまう。
そんな俺に怯むはずもなく、クスクスと笑いながら威嚇も警戒も物ともせず近づき始める男。
いつから居て俺達のやり取りを見ていたのか、俺と小田を分かりやすく交互に捉えすぐ目の前まで距離を詰めると、
「浮気相手は浮気者~って場面?」
「あっ?」
「いや、リオの彼氏名乗っておいてちゃっかりこーんな可愛い女の子と堂々と浮気してるのかなぁって」
「亜豆の彼氏だし、小田は同僚だっつーの」
「フフッ、伊万里くん減点~」
「ああっ!?」
「女心分かってないねぇ。リオの立場からすればひたすらにカッコイイ発言だけどさ、小田ちゃん?だっけ?の、立場からしたら物凄~く痛い宣言だったと思わない?」
「・・・・知ってるよ。でも、痛がってもこのくらいでへこたれない小田だってことも知ってるよ」
瞬時に隣に居る小田の視線がこちらに向かったのは気がついていた。
でも、それに視線や意識を返すでもなく見据えるのは目の前の危険すぎる男の水色の双眸だ。



