そんな亜豆の姿に言葉と息を飲んだのは小田の姿。
俺は・・・、ただどこまでも心地良いと亜豆に向かって笑みを落とすだけ。
小田には悪いけど2人して最大限に惚気る今なんだ。
こんな中に、亜豆相手に割って入るのは困難だろう?と、クスリ笑ってしまったと言うのに。
「と、思ってたんですけどね」
ん?
「思ってた以上に小田さんという生き物の愛らしい事。アレにはうっかり素直さに弱い飼い猫が、美味しそうな猫缶だと誘惑されそうで」
「ぅおいっ!」
「あー、やっぱり心配で心配で。送り狼な誘いに乗ったらダメですよ?送り狼に誘わないで下さいね!?コレは私ので私だけに夢中であればいいんです!」
本当・・・亜豆さまは予想外。
慣れていた筈の俺でさえこのオチまでは予想してなかった。
不安はないと言い張った癖に、結局心配だと俺に釘刺し、小田に釘刺し。
結局、嫉妬露わじゃん。と苦笑した瞬間。
「浮気厳禁!」
「っ・・・」
嫉妬全開・・・。
自分の物だと俺の襟元掴んで身を寄せた亜豆が、ムッと眉根を寄せた表情で首筋に噛み付く様に唇を寄せた事には素直に驚く。
あっ、絶対に・・・キスマークついた。



