堂々と、心の狭すぎる嫉妬を美点と語る亜豆には小田も只々大きな目をパチクリとして押されるばかり。
時々助けを求める様にチラチラとこちらに走る視線には気がついているけれど、敢えてそ知らぬふりで成行きを眺める傍観者に徹する。
「今更嫉妬に振り回されてただ一人に過剰に激情もしないんです」
「っ・・・嫌だとか不安にはならないんですか!?私取る気満々ですよ!?隙見て誘惑しようと躍起ですよ!?」
おいおい、小田。
お前物凄い発言をぶちかますな。
まるで嗾ける様な発言であるのに、どこか必死なアピールのそれは可愛い反抗のようにも見えてしまう。
『いいのか!?』と、敢えてワザと俺の腕を掴んで見せつけるようにする素振りすら咄嗟の思いつきで子供技の様な。
きっと小田も冷静であるならこんな行動は子供じみていると理性働きしないんだろうな。
ひたすらに亜豆節にペースの崩壊か。
そんな小田に亜豆の反応はどうなんだ?と、すでに怯む心なく視線を走らせれば、じっと無表情に小田を見つめている姿が映り、
「・・・・どうしましょう?私結構小田さん好きかもしれません」
「はいっ!?」
「なんて言うか・・・必死で一途でまっすぐで可愛いというのか」
「っ・・馬鹿にしてますか!?」
「馬鹿に?・・・何でですか?」
「はっ?」
「どの言葉も悪意のない賞賛と好意の響きだったと思うんですが」
「っ~~~??」
もう、訳がわからない。
そんな風に今度ははっきりと俺に助けを求めて見つめ上げてきた小田には小さく噴き出してしまった。



