クソッと眉根を寄せてヘラリとこちらを馬鹿にしたように見下ろす姿を睨み上げると、
「NO SEX、NO KISSってルールなら入ってもいいの?」
「はっ?」
「だから、エッチな事無しなら、少し暖を取ってから帰るってのはあり?」
「・・・・それを信じろと?」
「俺、リオに嘘ついた事はないと思うけど」
「・・・・・」
「ねっ?」
言葉に詰まる。
だって、確かにその事実は認めざるを得ない事実だ。
ミケはふざけてからかったりはするけれど私に嘘をついた事は一度もない。
約束は必ず守ってくれたし、本当に誠実は誠実だったんだ。
そのスタイルが変わっていないのであれば、確かにそのルールを守ってくれると言うのであれば・・・。
って、私って本当につくづく・・・。
『バーカ』
ああ、伊万里さんのそんな言葉が頭に響く。
響くのに・・・。
「ホットミルク一杯飲んだら帰って、」
「フフッ、了解。契約成立~。お邪魔しま~す」
嬉々とした声が聴覚を擽った瞬間に自分自身には酷く呆れた。
でも、逆にここでミケの条件を受け入れずに追いだしたら、一晩でも二晩でも余裕で玄関前で待ち続ける男だろう。
ミケはそういう奴なんだ。



