「じゃあ、俺らも帰るか。」



『うん、そうだね。』



初め、二人きりで帰った時は気まずかったな。
なんて、足を進めながら思う。



いまは、もうすっかり森の隣を歩いて帰ることが当たり前になった。



それだけのことが、とても嬉しく感じる。



『あ、ちょっとそこ寄ろうよ。』



学校帰りに、たまに2人で寄る公園。
温かい缶ジュースを自販で買ってベンチに座る。



ココアを持ってベンチに腰かければ、当たり前のように森が隣に座ってくれる。



寒いはずなのに身体が熱い。



私、緊張してるんだ。



森が私に手を差し伸べてくれたあの日。
私はあることを決意した。
それを、今ここで森に話す。



トクン トクン



『私、進路決めたんだ。』



「へー、どうすんの?
進学??」



『・・・うん。
作曲家、目指そうと思う。
だから、音大に。
ねぇ森?』



ドックン ドックン