「早く片せ。」
ポカーンとしている私の手にヘッドホンを持たせ、森はギターを手に取って片付けを始める。
ハッとして私もノートを閉じて、キーボードの電源を切る。
カバーに入れて、荷物を抱えこんだ頃には森の準備はとっくに終わっている。
『2人は?』
「もう帰った。」
『そう。
森は帰らなかったの?』
いつ帰ったのか。
2人が帰ったことにも気づないくらい集中していたのか。
「お前置いて帰れねぇだろ。」
確かに、森が声を変えてくれなければ私はずっとあそこにいたかもしれない。
『ありがとう。』
お礼を言うのが少し恥ずかしくって、窓を見ながら口にする。
窓に写った自分の顔が、少し赤いように感じる。
気のせいだ。
なんで、お礼を言うのに赤くなる必要がある、私。
マフラーを鼻の所まで上げて、顔を隠す。
下駄箱で、靴を履き替えて廊下よりももっと寒い外に出る。
ポカーンとしている私の手にヘッドホンを持たせ、森はギターを手に取って片付けを始める。
ハッとして私もノートを閉じて、キーボードの電源を切る。
カバーに入れて、荷物を抱えこんだ頃には森の準備はとっくに終わっている。
『2人は?』
「もう帰った。」
『そう。
森は帰らなかったの?』
いつ帰ったのか。
2人が帰ったことにも気づないくらい集中していたのか。
「お前置いて帰れねぇだろ。」
確かに、森が声を変えてくれなければ私はずっとあそこにいたかもしれない。
『ありがとう。』
お礼を言うのが少し恥ずかしくって、窓を見ながら口にする。
窓に写った自分の顔が、少し赤いように感じる。
気のせいだ。
なんで、お礼を言うのに赤くなる必要がある、私。
マフラーを鼻の所まで上げて、顔を隠す。
下駄箱で、靴を履き替えて廊下よりももっと寒い外に出る。



