「じゃあ、怖いんだろ?
自分が決めた道に進むこと、失敗するかもしれないって思ってるんだろう。
だから、誰かが決めるのをずっと待ってる。
誰かが前を進んでいる道にいって、自分が傷つかないように。」



『違う、そんなことない。
本当に私は、なりたいこともなりたいものもないだけ。』



まだ、腕は掴まれたまま。
森は私を真っ直ぐに見つめる。
私は居心地が悪くって、森の目から逃げるように下を向いた。



「成功が確立した平坦な道を歩きたいのか?
んな道見たことねぇよ。
綺麗に舗装されたアスファルトの道を歩いても躓く。
お前はなんもない所で躓いたことないのかよ。
つまんねぇな、お前の人生(みち)は。」



ぱっと腕を話して、森は私の言葉を聞く前に去って行った。



『なんなの・・・』



私の口から出た言葉は、その一言だけ。
その言葉しか言えなかった。



森の言った言葉は結構的を射ていたのだ。