ヒサエはその紙を丁寧に折って封筒の中に入れ、封をした。
よっこいしょと呟き、椅子から立ち上がり、押し入れまで
歩いて襖の奥に封筒をしまいこんで襖をしめ、また椅子に座った。
何分たっただろうか。
窓の外の景色を見てたら机の上にある家の固定電話がなった。
孫のかりんからだった。
「おばあちゃん久しぶり!元気にしてた?」
「かりんちゃん?久しぶりね、元気よ。」
「そう、よかった!おばあちゃん元気にしてるか心配で電話かけた!」
「まー、ありがとう。優しいね。いくつになったの?」
「おばあちゃんこの間電話かけたときに言ったじゃん!」
「あはは、すぐ忘れるからねぇ、もう一度教えてくれる?」
「24」
「大きくなったねぇ。仕事はなにをしてるの?」
「介護職」
「あんなに細くて小さかったのに大丈夫?」
「資格も持ってるし、大丈夫よ。」
「あー、資格ね。今は資格社会だもんね。大変かもしれないけどがんばってね。」
「ありがとう。話は変わるけど、おばあちゃん15日の土曜日何か予定入ってる?」
「ちょっとカレンダー見てくるから電話切らずに待ってて。」