「奏絵ちゃん、ありがとう……」



チュ……私の目元に優しくキスを落とす。



「奏絵ちゃん、ホントにありがとう……。俺、すごく楽しかった。奏絵ちゃんと一緒にいて、奏絵ちゃんと一緒に夏祭り楽しんで……一緒に花火見て」

「ゆっ、さ……」

「最後に……夏祭りに行きたかったんだ。最後に花火を見たかったんだ……。奏絵ちゃんが一人でここにいたとき、もしかしたら、俺と同じにこの夏祭りが好きで、一緒に回ってくれるんじゃないかって。……ごめん、奏絵ちゃんを好きにさせて。奏絵ちゃんを……好きになっちゃって」

「優、さん……っ!」



ぎゅっ……最初で最後に、優さんの体に抱き着く。

やっぱり、優さんの体は冷たい。



「優さん……!」

「奏絵ちゃん……ホントにありがとう……」

「はい……。私も、ありがとうございます……」