短編集 【ストーカー】



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陰口社員A「聞いた?立川さん、部長の定年祝い欠席するらしいよ。」


陰口社員B「マジ!?なんて薄情な人なんだよ。」


陰口社員A「あの人が飲み会に出席した事なんて見たことないしな。」


陰口社員B「どうせまたあれだろ?
娘がいるからだろ?」


陰口社員A「正直キモいよな?職場の輪を乱してることに気付かないで家庭ばっかり優先して。」









父「部長・・。お勤めお疲れ様でした。」


部長「立川ありがとう。
いや~お互い歳取ったな。」


父「・・そうですね。今日の会・・参加できず申し訳ございません。」


部長「気にするな。早く家帰ってやれよ。」


父「・・すみません。」


部長「いくつになった?」


父「春から高校生です。
無事に受験にも合格しました。」


部長「・・・ナホちゃんに似て可愛い子なんだろうなぁ・・。」


父「最近特に似てきましたよ。」


部長「立川・・。今日の事は気にしなくても良いが、それにしたっていつまで酒をやめるつもりなんだ?

焼酎好きのお前が“酒を断つ”って言い出した時は心配したんだぞ?」


父「・・・・・。」


部長「“娘になにかあったら夜中でも病院に連れて行く為”って言うけど・・・。

もう高校生になるんだからいい加減お前も自分の嗜好とか大事にしろよ。

ストレス発散にもなるしさぁ。」


父「・・・娘が成人するまでは一切そういうのはやりません。

それに、娘の顔を見るだけで私のストレスはいつも発散されています。」


部長「フッ・・頑固親父め・・(笑´∀`)」