「麗!!」



陽くんが大きな声で私を呼んだ。きがした。




ふと廊下の方を見ると、やっぱり陽くんがいた。




それだけで私の気持ちは最高に上がった。



「陽くん!!」




私は即座に駆けていくと嬉しそうにまた笑った。




また私の胸がうるさくなる。




「これ、落し物」




そう言って渡してくれたのは紫色のクシ。




「あ、落としてたんだ。ありがとう」




今日、何回陽くんにありがとうっていったんだろう。




こんな気持ち本当に初めてかもしれない。




「じゃあ、また!」




手を振って笑顔で友達と去っていく陽くんから、目が離せなかった。




やっぱり、このクシのおかげなのかな。ちょっとクサイかな。



私はドキドキする胸を抑えるようにクシを強く握り締めた。