「このまま奏とイチャイチャしたいとこだけど…俺は仕事があるし、奏も学校行かないとだな。」




朔が時計をちらっと見る。




その時、ふと思い出した。






「あ、そうだ。私ね、昨日朔に話したいことあったの。」




「ん?話したいこと?」




「そう。私…学校に友達いないし、好きじゃなかった。だけど昨日、朔が校門まで送ってくれたことがクラスの女子で話題になってて、みんなが私の席に来てくれてねっ…」




やや興奮気味に話をしていた私を、朔が優しい眼差しで見つめていた。




「…それで?」



「それで…みんなと話せたことが嬉しくて…」




そんな私に、覆い被さってくる朔。





「奏が変わったんだよ。みんなが奏と話したいって思えるくらいに。」




そう言って、私にご褒美のキスをくれる。





「…でも、あんまりニコニコ喋っちゃダメだぞ?」



キスの合間に、クギを刺す朔。




「え、何で…?」




「クラスの女子と話すのは良いことだけど、奏の笑顔見たらクラスの男どもまで群がってきそうだから…」




そんな朔に、思わず笑ってしまった。




「何それ。そんなはずないでしょ?」




それがお気に召さなかったようで、突然朔が私の鎖骨の辺りに唇を落とし…




「…っ………」



甘い痛みが走る。




「…マーキング。奏は俺のものって証。」




キスマークを付けられた。