「いいなあ。あたしも咲田さんみたいな彼氏ほしー!」
「あんたは無理でしょ!あのレベルの男は!」
「ひどーい!」
周りに集まった子達の楽しそうな笑い声に、思わず私も笑みをこぼした。
すると…
「咲田さんが笑った!」
「本当だ!」
「かわいい〜!」
その言葉に驚いて、思わず俯く。
そんな私を見て、一人のクラスメイトが言った。
「咲田さん、うちらと変わらないんだね。正直、今までクールな一匹狼って感じで近寄りがたかったんだ。だけど、咲田さんもあたしたちと一緒。こうやって楽しく喋って笑って。」
クールな一匹狼…か。
そう思わせてたのは、間違いなく私の態度のせいであって。
わざとみんなから距離を置いていたから。
「ね、よかったらこれからも色々話そうよ!」
「あたしも!まだ咲田さんの彼の話聞き足りないし!」
「…ありがとう、みんな。」
朔と出会ってから、世界が変わったよ。
一人ぼっちだと思っていたこの世界は、こんなにも温かかった。
誰からも愛されないと思っていた私が、こんなにも笑顔を向けてもらえた。
…早く、朔にこのことを報告したいな。
そしたら、どんな顔して話を聞いてくれるかな。
つい数分前まで一緒にいたのに…
もう、こんなにも会いたい気持ちが膨らんでいる。
窓の外の景色を見ながら、そんなことを考えていた。

