七海さんの様子からして、朔のことが好きなんだろうとは思っていたけど…




もしかして、朔も好きなんじゃ…。




それで、二人は恋人同士なんじゃ…。




だからこうして、訪ねてきてるんじゃ…。





そう思ったら、自分がここにいることが罪なことに思えてきた。




独りになりたくない。




でも、恋人の中に割って入りたくなんかない。




…そんな惨めなこと、したくない。





いろんな複雑な思いが頭の中を駆け巡る。





結局、私は誰からも愛されることはないのだと痛感した。




今のうちに、この家を出て行こうか…




そんなことを思った時だった。






玄関でガチャンと音がした。





足音が聞こえてくる。





この音…朔の足音だ。