「…ありがと、朔。」





「相変わらずモテますね、うちの姫は。出会った時も男に腕掴まれてたよなぁ。」





そう言いながら両手を広げる朔の胸に、思いっきり飛び込んだ。





「…あの日、朔に助けてもらわなかったら、私たち出会ってなかったんだね…」





その言葉に、朔の抱きしめる力が強くなる。






「どこにいたって、見つけるけどね。」





歯の浮くようなセリフ。





でも、この男のルックスだと、そんなキザなセリフも似合ってしまうのが悔しい。





そんな朔だけど…




本当に本当に、出会えてよかったって思う。