「え…?」




私を身体から離し、首をかしげる朔。





「一年前、私が母と会う時、言ってくれたでしょ?文句でもなんでも、言いたいことぶつければいいって。それ、今の朔にも言えることだと思う。私と母の時間は3年前で止まっていて、でもあの日言いたいこと言えて、また時計が動き出したの。きっと朔も、お母さんのことがあった日から、お父さんとの関係が止まったままなんだよ。……思ってること、伝えてみたらどうかな…」





朔は目を丸くして驚いた表情だったけれど、しばらくしてフッと柔らかな表情で言った。





「…奏は強いな。」




「強い…?私は強くないよ?朔が教えてくれたことだもん。」





そんな私を再び抱きしめる朔。





「…そういうのとは、違う強さだよ。」




そう呟きながら私を抱きしめた朔の身体は…




もう震えが止まっていた。