砂糖よりも甘い君

仕事を終えて帰ろうとすると凛斗様が帰ってきた。


そして何も言わずに私の前に立つ。


「り、凛斗様……?」


「あのさ、なんで沢口と連絡先交換とかしてんの?」


「え……?」


「しかも、俺だけじゃなくて沢口にもクッキーあげるとか。何?アイツイケメンだし、好きにでもなった?」


「ど、どうしてそうなるんです!?」


赤くなってオロオロしていると凛斗様はため息をついた。


「やっぱ紅華を沢口に会わせるの良くなかったか?」


「さ、沢口さん、優しくしてくれましたよ……?」


「確かに俺は沢口に紅華からケーキ受け取るように伝えた。でも、紅華の事だからすぐに帰るだろうと思ってたらいつまでも二人で話してるし。撮影中じゃなかったら乱入してた」


「ど、どうして怒ってるんですか……?」


分からなくて泣きそうになっていると凛斗様が息をついた。


「俺だけが紅華を知ってればいい」


「!?」


まっすぐ目を見つめられてドキドキしてしまう。


そんな、思わせぶりな言葉を言わないで。


王子様は絶対にみすぼらしい女を選んだりしない。


分かってるから、凛斗様をこれ以上好きになっても辛いだけだって……。


意地悪で、残酷な王子様。


凛斗様は私の頬に手を滑らせた。


「沢口との事は、とりあえずは置いといてやる。それよりも、今日差し入れで持って来てくれたガトーショコラ、超美味かった」


「……っ」


「皆も美味いって言いながら食ってたよ。ありがとう」


「よ、良かった……」


「」