「え?赤城さん?」
俺の視線の先を同じく見る衛藤。
「チャンスですよ!
いいんですか?何も言わなくて。」
とは言われたが
どうしたらいいのか。
「上原さん!
今時の高校生の方が積極的ですよ!
中学生ですか!
ほら!席立ちましたよ!
早く!声かけてきて下さい!」
と促され、俺も立ち上がった。
そのままお手洗いに行った茅菜。
偶然を装って、
ぶつかったと思った茅菜。
「あ、すみません」
「いえ、こちらこそ、
って茅菜?」
と言うと顔を上げる茅菜。
あの時の気持ちが一気に俺の中に
戻ってきた。
「どなたですか?
すみません、失礼します。」
顔を伏せて横を通り過ぎようとする。
「んなわけねーだろ。
おい、知らん顔すんなよ。」
咄嗟に腕を掴んだ。
「離してください!
本当に迷惑です!」
腕を振り払われカウンターまで走って
帰った茅菜。
そのままあの男と帰ってしまった。

