「お願いっ……それだけは返してっ……」

ママからの、プレゼントだからっ……

もう、貰うことの出来ないママからのプレゼントだからっ……

「なにしてんの?」

「「「「……っ!」」」」

声がした方を見ると、少し睨みつけた顔をした蓮が立っていた。

「蓮っ……」

「……っ!なるほど……」

そう呟いたあと、軽々とストラップを奪った。

そして、優しい笑顔で私に渡してくれた。

「ありがとう……」

「これが欲しけりゃ自分で買え。美稀から奪うな。分かったんなら失せろ!」