「1年前に……脳腫瘍で……」

「……!」

気づいた時にはもう手遅れで、余命1年と宣告された。

兄貴は頑張ってたけど、1年ももたずに亡くなった……

母さんは寝込んでしまって、アイツは仕事仕事って……

今は母さんは元気だけど、どこかではまだ、辛そう。

「だけど、もし手遅れになったら……!」

「手遅れって……なに……?」

「「……!」」

ベッドの方に目を向けると、美稀が座って俺達を見ていた。

「美稀!」