「なにが?」

「いーのいーの」

「えー……」

「痛っ!」

ーーポタッ

私の指に、血が流れた。

「美稀!」

「大丈夫!?」

ノートに目をやると、カミソリがあった。

「うぅ……」

「美稀、保健室行くぞ」

「ここは僕に任せて」

「ああ、頼む」

蓮は私の肩を抱いて、歩きだした。

私の肩は震えていた。

誰かに、見られていたからーー