「美稀!」

「やだっ!」

「……っ!」

「言わないっ!」

「……」

ーーギュッ

「いたっ!」

ますます強く腕を握られた。

「痛い蓮!!!蓮!!!離して!!!」

「なんで……」

「え……?」

「なんで……」

段々声が、消えていった。

私の腕を掴む手が、微かに震えていた。