「送る」

「ダメだよ。蓮、帰らないと」

「じゃあ、言い方変える。送らせろ」

「うぅ……」

蓮は、微妙に睨みつけてきた。

「分かりました、お願いします……」

「フッ……行くぞ」

私は渋々ついて行った。

「あっ」

「ん?」

「お買い物……お財布あったっけ……」

牛乳や食パンとか、いろいろ少なくなっていた。

買っておかないと、おばさん達が……

ーーギュッ

「え……」

黙ったまま、蓮は私の腕を掴み、逆方向に歩きだした。

「ちょ!蓮!どこ行くの!!?」

「……」