「怖いとかそんな感情、知らないよ……」

「……名前は?」

「……春山美稀」

「俺は桜良蓮。よろしく」

それだけ言って、また机に突っ伏した。

私もイヤホンをして、一人の世界に入った。

ーーバンッ

「「「……!」」」

「桜良蓮はどこだ!」

イヤホンをしていても分かるぐらいの音を上げて、ドアが開いた。

桜良蓮って……

ーーガタッ

「んだよ、うっせーなー……」

「ちょっと顔貸してもらおうか」

「チッ……」

「行くの?」