「お前、親に酷い扱いされてんのか」

「親なんかじゃない。親は死んだ」

「……っ!」

「あれは、おばさんだよ。ねえ」

「えっ」

「殺して、私を」

「……!」

私は、殺すと思った。

殺されると思った。

なのにこの人はーー

「バカか、テメェは」

「え?」

「親の気持ちも考えろ。生きていてほしいはずだぞ。親の分まで」

「……っ!」