たった7日間で恋人になる方法

『美園も萌も、高木君には惚れちゃだめよ、彼、もうすぐ人のものだからね』

不意に隣に座っていた、同じクラスだった千鶴が話しかけてきた。

既にワインで酔っているのか、学生時代より若干ふくよかになった身体をこちらに向けて、『残念だけどさ』…と繰り返す。

『私も萌も、彼、タイプじゃないし、惚れたりしないから、大丈夫よ』
『え~あんなイケメンなのにぃ?』
『…琉星の方がかっこいいし』
『萌!』
『イタッ』

つい思ったことを素直に口に出して、肘で小突かれも、千鶴は気付かなかったらしく、話を続ける。

『しかも、相手は誰だと思う?』
『その言い方だと、うちらも知ってる同級生ね…』
『さすが美園、鋭い!相手はね、意外や意外…』

『ちょっと、ここ良いかな?』

唐突に降ってきた声に、視線を上げると、当時クラス委員長だった徳永さんが、グラスワインを片手に、空いていた席に腰を下ろしている。

『美園、森野さん、久しぶりね、元気だった?』
『徳永も元気そうじゃない』
『まあね』

学生の頃は、徳永さんと成績上位を争った美園は、懐かしい宿敵の登場に、嬉しそうに笑みを返す。