私の通う緑川学園は、たくさんの木々に囲まれた緑豊かな学校。
小中高一貫で、この辺では有名な名門校なの。
特に、学園の近くには大きな川が流れてて、その周りに植えられた何百本もの桜は本当に綺麗で、各地から観光客が沢山やってくるの。
だから私は毎日病室に居ても、季節ごとに違う景色を見れるから退屈しないんだ。

「せいらっ!」
「せいらちゃん」
突然に名前を呼ばれて後ろを振り向くと、澄恋と葵君が立っていた。
澄恋は中学の時に同じクラスになってから仲良しで、今では私の親友。
葵君は蓮の親友で、優しくて明るい彼は学園の王子様。
澄恋と葵君は幼馴染みで、すごく仲がいい。
「おはよう、澄恋!葵君!」
こんな明るいふたりのおかげで、私は毎日楽しく学校生活が送れている。ふたりには感謝してもしきれないな。
「おい、置いてくなよ。」
「あー、ごめん。忘れてたー。」
そう言ってやってきたのは、蓮。
蓮はスポーツ万能、成績優秀、まさに完璧!
私の密かに思いを寄せる相手だったりする。
「おはよ、せいら」
「おはよう、蓮」
そんな会話をしていたらあっという間に学校に着いた。

門を潜ると生徒達の視線と歓声の渦だった。
「「きゃーー!!」」
「せいら様だ!」「澄恋ちゃんもいる!」「蓮君ー!」「葵様ーー!!」
私たち4人は、生徒会グループで、私が生徒会長、蓮が副会長、澄恋が書記、葵君が会計を務めている。
蓮たちは各自のファンクラブがあるほど人気者。
だから、この騒ぎは毎日のように起こる。
さすがに疲れるよねw
「朝から騒がしいね」
「せいらのせいでしょ」
「え?」
私のせいってどういうこと、私何かしたかな?
「せいらちゃん自覚ないの?」
「なんの自覚?」
葵君まで、何を言ってるのかわからない。
「お前なぁ、はぁ。」
「え、え??」
何、意味がわからないよ!
「「はぁ。」」
3人揃ってため息を漏らし、顔を見合わせて苦笑いした。
私だけ状況が読めない、ばかにされてる?
「まぁいい、早く教室行くぞ」
「今日は校外学習の班決めだよね」
そう言って3人は先に歩いて行ってしまう。
意味がわかんないよ!まぁいいや。
「待ってよー!」