閉店後、片付けも間もない時…
レイカがとことこと近づいてきた…
『鈴木っち〜』
レイカが少し甘える様な声色で呼んだ。
『ん?何?』
『今日送りは鈴木っち〜でしょ?』
『あっ、そやなぁ〜送るわ〜。ちょっと待って〜オカリナにゆうてくるわ〜』

レイカのマンション前に止めて、
『はい、おつかれ〜』
と言った。
いつも妖艶な雰囲気で車をおりて手を振ってくれるレイカが、今日はなかなか車を降りない…
『あのね、あたしのちびちゃんが、アンパンマンのゲームを壊してしまって…アンパンマンが泣いてるの…』
ほんとに悲しげそうだった…
ゆってる意味はわかるけどゆってる意味がわからなかった…
『は?』
まったくわからない私は答えた…
『アンパンマン泣いてるの…』
と悲しげに繰り返すレイカ。
その時、私はあっ、これは…
よくあるラッキーなパターンかぁ〜?っと高ぶる気持ちを押さえ、まさか自分がこんな状況に巡り合うなんて…っとさらに高ぶる気持ちを押さえて、
『見てみたろか?』
言った瞬間、下心が悟られたらどーしよ〜… レイカはどうしてほしかったんやろか…とんだ間違いな台詞を言ってしまったのでは…と後悔しかけた時、
『うん!』
レイカが急に華のある明るい声で答えた。