それから毎日のように千里さんは私を見つけてくれた。
教室へ来たり、
外で授業していると窓から手を振ってくれたり、
登校すると下駄箱にいることもしょっちゅう。
あれ……これはほぼストーカーでは。
そんな千里さんをなぜか怖いとは思えずに、千里さんがいることを当たり前として、日常として受け入れ始めている自分がいる。
千里さんはだって優しいから。
千里さんの隣は、なんとなくほっとするから。
たくさん好きって言ってくるのもそれも日常となってしまっていた。
その言葉に答えないくせに、どこか安心するのだ。
でもこれは、一時的に絆されているだけ。
こんなに無愛想で、可愛くない私のことなんか、絶対に千里さんはすぐ飽きる。
そしたらきっと、私はまた気づくと思う。
今、この安心するような気持ちが、気の迷いであると。


