「っ……!!」 そう思った瞬間、頭の中で“あの時のこと”が思い出された。 頭がいたくて、しゃがみこんだ。 「はぁ、はぁ、はぁ……」 途端に息苦しくなって、 ゆっくり吸って、吐いて、吸って、吐いて、って自分の中で唱える。 少し落ち着くと、床に自分の汗が垂れていることに気づいた。 それを服で拭った。 その時、 ピンポーン、と見計らったようにチャイムがなる。 彼だ、彼が来たんだ。 私は、玄関のドアを開けた。