「総長、まさかヘビ……すか?」
「あぁ」
コタが恐る恐る訊ねると、そうだが? と、あたかも当然のように肯定してきた。
やっぱ理斗はアホだなぁ。
今どき口笛ふいたらヘビがくる、なんての信じてる人いないのに……。
ちなみに理斗はサンタも信じている。
こんな純粋に育った男が族の頭なんて、かなりやばいけどケンカは誰よりも強いし仲間思いだし問題ない。
「というか、さっきからどうしたんだ? いつも千里から離れない透真が拗ねてんじゃねぇか」
理斗に気をとられていて忘れてたけど、透真はひよちゃんのことになるとすぐ拗ねる。
今も、僕に背を向けている。
「ケンカしたのか?」
「ううん、してないよ。してないけど……」
僕は、ひよちゃんが好きだから。
「僕がね、透真の世界一大事なものが欲しいだけ」


