僕たちは教室には向かわず、例の溜まり場となっている部屋へ向かう。
「……ねぇひよちゃんの連絡先教えてよ」
「絶対やだ」
「弟ガードきついな」
「男なら自分できいて」
きいたところで教えてくれなさそうだけどね。
僕たちが話しかけたとき、ひよちゃんは少し目を見開いてたけど、すぐに冷静になって僕と透真を見比べた。
そして、透真に言われた言葉の捉え方からしても多分僕が何者かっていうのは大体予想をつけてるんだと思う。
透真と同じ世界で生きてる人という認識を。
ひよちゃんはすぐに見抜いたと思う。
「おはよう」
「おはよっさん!」
たまり場について扉を開けると、既に理斗とコタの姿。
「今日は早いね」
コタはいつも一番乗りだけど、理斗がいるのは珍しい。
総長だからってわけじゃなく、普通に朝が苦手みたいでくるのはいつも一番最後だ。
「なんか寝付けなかったんだ。朝も早くに目が覚めちまって」
「へー」
「昨日の夜、口笛吹いちまってだな。
どっから出てくるかわからなくて気になって気になって、寝付けなかった」
「「は??」」
出てくる?
ん? なにが?


