「……っ、」
やっぱり、嫌われてるのか。
仕方ない。距離をとったのは私なんだから。
透真の知り合いとなると千里さんは暴走族の可能性が高い。
……というか、ほぼ100%そうだろう。
透真がさん付けで呼んでるし。
私に顔を背ける透真を見たくなくて、私は顔を俯かせた。
「え、透真……、ひよって、君のお姉さん?」
そんな気まずい私たちに、一人目を見開いている千里さん。
「……そうですけど」
「え゛っっ、だってこの前見たときはもっと地味な感じで……」
「なんも変わってませんよ、ひよは」
何も変わってない…………それは、私が地味で内気でっていうのもそうなんだろうけど。
過去から踏み出せずに縛られたままの私の気持ちのことも言っているようで、胸がチクリと痛んだ。
「……そうなんだ。恋の力ってすごいなぁ」
「あ゛!? 恋!?」
透真が千里さんの言葉に過剰に反応した。
いや、私も驚いているけど……。


