下駄箱で上履きに履き替えていると、朝なのにさっそくガヤガヤと騒がしい。



おかしいな。


いつも、この時間はとても静かだ。


何故なら学校をサボりまくっている不良くんたちは、朝なんて学校に来ないから。






「ねえねえ、あの部屋から出てどうしたの?」


「え~! 珍しい! 千里くんが朝から授業に出るなんて! ラッキー!」




………せんりくん?



って、誰だろう。





人だかりが遠目に見えて目を凝らしてみると、女子の渦の中に、飛び出た2つの頭。





その内の背の高い方が、私の方を見た。



目がパチッとあった瞬間、



「あっ」




私の口から声がこぼれると同時に、彼の顔は満面の笑みとなった。





「昨日の!!!!」
「昨日の…………」






女の子の大群を掻き分けて、昨日、私に告白した彼は私のところへ駆け寄ってきた。