「ツー……ツー……」

「なにあいつ……」


わかった。って、来るのか来ないのかわかんないじゃん……
とりあえず待ってみようと思い、友達と別れて入り口で蒼空を待った。


なんか、

「彼氏との待ち合わせみたい……」


そうだったらいいのに。ここに来るのが、
友達である蒼空じゃなくて、彼氏である蒼空が来たらいいのに。
考えるだけ無駄だ。


「へくしっ!!」


5月と言えど、汗をかいたあとの夕方は寒い。
それに、さっきからぽつぽつ雨が降ってきている。
一回中に入ろうと、後ろを向いた。