「折山さん、あの帽子似合いそう」


「うん、ああいうの好み!」


「被ってみて」


わたしは紺のベレー帽を鏡の前で被ってみる。


いいかんじかも!


「うん、すごく似合ってる。

あの赤いセーターとかも折山さんっぽいね」


「あれは大人っぽすぎるよー!着てみたい気持ちはあるけど」


「着てみたら?」


「ううーん。

...って、海くん、わたしの欲しいもの買いにきたんじゃないよ!?

海くんのマフラーを選びに来たんだよ!?」


このデパートにはマフラー専門店があるから、そこに向かおうとしているのに、

そこに向かうまでに海くんはレディースの服屋さんに目を向けてわたしにたくさんのものを進めてくる。


「あ、そうだった」


って忘れてたんかーい!!