「海くんこそ、早いね...!?
もしかして12時半集合だった!?」
わたし、聞き間違えたのかな!?
「ううん、13時だよ。ちょっと、早く着きすぎただけ」
それにしても早い海くん。
「待たせてごめんね」
「いやいや、俺が勝手に」
今まで制服しか見たことがなかったから、私服の海くんはすごく新鮮だ。
白のニットに黒のスキニー。
カーキ色のコートがよく似合っている。
海くん、超オシャレ。
わたしももう少しオシャレしてくればよかったー!!
わたしは心のなかでそう思っていると、海くんがわたしのことを見ながらぼーっとしているのに気づいた。
「海くん?」
「...」
「おーい」
「ハッ。
ご、ごめん。ぼーっとしちゃって。
それじゃあ、行こうか」
「うん!」
...ん?
ちょっと待って。
なんだかすごく...
...デートみたいじゃない?
わたしはそこでようやく気づいた。
いやいや、デートじゃないよこれは!!
これは償い!!
わたしはそう考えながら彼の背中にヒョコヒョコついていった。
時計台の真ん前にある、県内では一番大きなデパート。
わたしたちはそこに向かった。