ものすごく真剣な瞳が、しっかりとわたしを捕らえて離さない。


その瞳には、覚悟や切なさが含まれていて。


彼の一言一言が、

わたしの心にゆっくりと溶けてゆく。


「折山さんに伝えたいこと、たくさんあるのに...

...だめだ、好きしか出てこない」


彼は本当に参ったというような様子だ。


一度帰ろうとしていたのに、息を切らしてまでわたしのもとへ走ってきてくれて...

想いを伝えてくれて...


十分だよ。十分すぎるよ、海くん。


海くんの気持ち、ものすごくわたしの心に届いたよ。


わたしは思わず泣きそうになった。