今更、その力がなくなったって俺はお前を手放したりしないのに。
それの気持ちを伝えているつもりだったのに。
いや、でも違う。
四季が俺の傍にいるのは生活の為だった。
秋光の為、最低限の生き抜くため。
だから・・・その力がなくなったら困るから必死だった?
考え込めば考え込む程負のぬかるみに沈んでいく。
未だはっきりと捉えていない四季の俺への本当の感情のピース。
それが見つからないし埋まらないからもどかしさも解消できず、完成しようのないパズルを必死になって組み立てているようだ。
「四季の・・・・・想いが分からないんです」
零れた言葉は完全なる弱音だ。
俺の口からは零したくない、本来零してはいけないそれ。
だけど・・・・、
いつだってこの人の前では最後には零してしまう、言わされてしまう言葉。
項垂れてもう迷走して動けないのだと救いを求めるように見上げると、俺を見降ろしていた桐子さんの少し迷いの揺れる眼差し。
「・・・・盲目ね」
「・・・・・俺もですか?」
「あなたは・・・・何も見えてない。目の前に確かにある物が見えていなくて、なのにその目の前にある物を欲しがっている不思議な子」
「・・・・」
「でも・・・・それをさせているのは四季ちゃんなのかもしれないわね。・・・・・あの子の愛しかたはそれこそ供給なの。供給の一手・・・・」
言っている意味が理解できずに持ち得る知識で解読を計るもことごとく失敗する。
この意味を解読するのに俺は四季の事を知らなすぎて、知った気でいた自分に嘲笑さえ漏らしそうだ。
それでも何となく理解する事。



