「の、望様は・・・・・少し・・・お控えくださいませ」
「・・・あっ?」
「もう27だというのに子供の様に・・・・性欲に貪欲というか・・・」
「なんだよその『27だというのに』って、お前歳だっていいたいのか?」
「いえ、望様は若々しくて見た目は素晴らしいと」
「【見た目】・・・・中身は最悪だとでも?」
「・・・・・・暴君ですよね?」
そこも疑問形で確認取るのかよ馬鹿女。
相変わらず掴めない会話に、湿らせていたタオルを雑に絞ると四季の顔に放って投げた。
ぴしゃりと軽く水気を飛ばしながら直撃したそれに不満そうな表情と声で四季が見上げて非難する。
「望様・・・、しっかり絞りきってほしかったです」
「善意で用意したものに文句を言うな」
「はぁ、望様は・・・・。まともに絞る事が出来ない程非力とは、お坊ちゃまですからねぇ」
軽く馬鹿にした様な言葉を口にしながら自分の顔や肌についた蜂蜜を拭い去る四季に、舌打ちで応戦すると一気にその華奢な体を抱えあげる。
予想外だったのかその眼を大きく見開いた四季と視線が絡み、ニッと好意的でない笑みを浮かべ意地の悪い言葉を四季に向けた。
「雇い主への数なる暴言・・・・、割増するからな」
「っ・・・暴君」
「またプラスだ」
「・・・・」
きっと不満が喉元まで込み上げていたのだろう。
それでも今吐き出すのは自分の首を絞めると思ってか、声を出さないように自分の口を両手で押さえる姿に今度は自然と軽く笑った。



