眉根を寄せ子供だと非難する声に嘲笑で挑めば、、



「美容って言葉に納得していたのはどこのどいつだ?」


「望様のこれは子供じみた悪戯です。言い訳に美容を持ちだすところが食べ物に失礼です」



母親かお前は・・・。


俺の行動に言い諭す様な叱咤を響かせた四季に視線を落とすと、今しがた自分がなすりつけた蜂蜜の跡が肌に光る。


誘惑と悪戯心。


フッと口の端を上げ再度四季を引き寄せると首筋に唇を這わせる。


口内に広がる甘い香りと舌に焼きつく甘味。



「・・・っ・・・のーー」


「黙って・・・食わせろ・・・・、俺に食わせるのが目的のそれだったんだろ?」



ニヤリと揚げ足を取る様な言葉で四季を追いやれば、反論を飲み込み黙る口。


蜂蜜残る肌に唇を這わせながら、蜂蜜残る指先で四季の唇に触れて割れ目をなぞると。


抵抗なく侵入を許す唇の隙間から熱い舌に指先を絡め、同じ蜂蜜の甘さを感情割増で共有する。


引き寄せ腹部にあった手で胸元をしっかりと塞いでいた編上げの紐を解き四季の貞淑さを崩していく。



「・・・んっ・・・っは・・・・望・・さま・・」


「・・・・何だ?」


「・・・・・・お食事は?」



四季が言わんとするパンケーキの存在に軽く笑い、すぐに四季の柔らかい肌に甘噛みしてから声を響かせる。



「デザートからでいい」


「・・・・マナー・・違反」


「誘惑したお前が悪い」


「・・っーーーー」



反論しようと口を開きかけた四季の唇にすかさず唇を重ね、後ろから抱いていた体をゆっくり対面させるとキッチンに押し付けるように密着していく。


甘い・・・・・。


蜂蜜と・・・微かなシナモンの匂い。


そう言えばミルクティーも飲んでいたと思い出し、どれだけ甘いもので構築されているのかと口の端を上げる。


零れる吐息でさえその甘みを帯びているようで、嗅覚も味覚も正常でないキスは変に扇情的だ。


手は相変わらず蜂蜜か絡むし、唇滑らす四季の肌は甘い。


肌の熱でその香りは強さを増す。


眩む頭で思った事。




蜂蜜に溺れた様な感覚・・・・。




らしくない思考だと嘲笑を漏らすのに、悪くないとどこかで思って四季との距離を埋めるようにきつく抱きしめ存在に安堵した。




これも一種のアロマというのか?