「だから、鵜呑みにするな・・・」


「は・・・へ?」


「・・・・本当に嫌な女を抱くような男じゃない」



不機嫌に言い放つとすぐに視線を外した。


何で俺が逆に追い詰められているんだ。


そんな不本意な状況に拍車をかけるのは四季の声で、俺の言葉をわざわざ確認するような言葉を返してくるから腹が立つ。




「それって、結局は私が嫌いじゃないって事ですか?」


「・・っ・・・もう、黙れ」




思わず四季のグレーを手で覆ってその問いかける様な視線から逃げ出してみる。


露わになっている艶やかな唇に少し心がざわめいて、目を手で覆ったままその唇に口付け啄んだ。





「・・・望・・・さま」


「・・・・・続けるぞ」


「・・・・・・・・・痛いのは・・・嫌です」



その言葉には特に返事を返さずに、代わりに四季の手首を掴むと自分の首に回していく。


少し驚きを孕んだ四季の眼を見つめ返し、口の端を小さく上げてその顔に触れた。




「・・・・痛みはどうにもできないかもだが・・・、今度は快楽も教えてやるから・・・」


「・・・・・お手柔らかに・・・」




四季の声に・・・返事と微笑みに鳥肌が立つ。


今度は気を張り巡らせ、緩やかに再開した動きに四季の眉根が寄って、


やはり優しく動こうが体はまだ未発達なのだと痛感する。


同時に、強引で乱暴な行為を繰り返したさっきの時間に悔いてやまず。


その分、少しでも今を労わるように緩やかな律動を与えながら甘く柔らかく他の肌に刺激を与える。


ゆるゆるとその時間に慣れて溺れて、四季の口から零れる声に甘みと少しの色気。


困ったな・・・・・。


全てが完璧すぎて泣きたくなる。


もう他の女なんて抱けないなんて思ってしまいそうなほど、四季の存在に浸り込む。


自分の思うままに染め上げるつもりが、見事逆に四季染められ縛り付けられて・・・・。


完全にこの魔女に惚れ込んだと自覚した。


力の入った腕に体、


切なげに歪めた表情、


その瞬間に伏せた目の睫毛の長さに思わず見惚れて熱くなる。


汗ばむ肌に張り付く髪すら魅力を高める要素に見えて四季の額に口付けてしまった。


そうして弾き零す声音も、




「・・・・・大丈夫か?」



自分でも酷く柔らかい声や言い方をしたと気がついた。


それでもそれに取りたてて言い訳も慌てもせず、むしろ肯定するように額から柔らかく頭を撫でていく。