「寝ていいぞ。起こして悪かったな」
「ん……全然、玄斗の呼ぶ声で起きれるって最高だもん」
「いいから寝ろ、」
どうしてこいつはこうも恥ずかしげもなく言葉を弾くのか。
向けられたこちらの方が変に羞恥に駆られて、そんな自分の顔を見られたくないと抱きしめる。
それなのに尚言い足りないのか、
「玄斗……」
「ん?」
「……フフッ、嘘つきで……ごめんね」
もそりと動きを見せて顔を上げ、まっすぐに見上げてきたハルの笑顔はどこまでも懐っこくてであった頃と変わらない。
嘘つき…か。
そんなの…、
「……気にすんな。俺も一緒だ」
ずっとずっと、嘘をつき続けている。
ずっとずっと、言いたい本心が心に疼いていて。
「………好きよ、玄斗、」
そんな告白の言葉にずっと……
「………俺も好きだよ、ハル」
そう、言いたかった……。
「………両想いね」
「許してくれるのが遅えんだよ……」
やっと、好きだという俺を許してくれるなんて。
両想いだと受け入れてくれるなんて。
「フフッ、相変わらず…寂しがりね玄斗」
お前はいつまでも俺をよく見て知って子供の様に言葉を落す。
それが…悔しくも心地よくて、心地よくて。
温もりも匂いも感触も鼓動も…。



