思い出した疑問を音にすれば、
「……俺が無理矢理突っ込んだ時、」
「…………ああ、…フフッ、あれかな?」
「それだよ。言え、」
思い出して尚笑って見せる姿に更にその疑問は強まって、いいから早く言えと促しながら首筋に甘噛みしてみる。
そんな刺激に肩を竦め『くすぐったい』と悶えながら、
「……玄斗の在り方の理由を見た気がしたから」
「あっ?」
「『生きてるって感じて気持ちいい』」
「……」
「……だから玄斗は血に飢えた様にあんな時間に惹かれるんだなって」
「………」
「あの瞬間の玄斗……恐いよ。目を背けたくなるくらい」
「…背けたことねえだろ」
知ってるんだ。
いつだって場違いにもニコニコと笑い刺すように見つめていた事。
一瞬だって逸らさず俺が本能のままに血に塗れていくのをこいつは見つめていた。
恐れていても逃げはせず。
それを肯定し説明するように、
「うん、だって…恐いけど…玄斗が一番生き生きしてる瞬間だから」
「………」
「相手を認識して認識されて、殴って蹴って痛みを与えて与えられて……自分が自分を認識出来る瞬間だったからでしょ?」
……あたりだ。
いや、言われて改めて再確認した。



