苦悶して奮闘して上昇一方な熱と欲求に苛立って舌打ちを響かせて。
クソッ…。
何でこんな…。
こいつが関わってから……。
そうだよ、全部こいつと関わってからじゃねえか。
こいつが訳わからねえこと言ってまとわりついて来てから…。
さっきだって、
馬鹿じゃねえの?
「っ……震えてビビるくれえなら飛び込んでくんじゃねえよ」
「……」
「お前に血生臭い事は似合わ…」
「でもっ!…血に塗れたら玄斗は触ってくれるんでしょ?」
「っ……」
「血に汚れた私なら…、今度は躊躇いなく、恐がらないで触ってくれるんでしょ?」
「お前、何言っ…」
「私もっ……玄斗に触りやすいよ」
「っ……」
ほらね。と言葉を肯定する様。
真正面から身を寄せ抱きしめてきた感触や匂い、熱には予想外すぎて抑制不能であった欲求まで驚愕の鎮静。
でもそれも束の間のもの。
すぐにその柔らかさに欲が疼く。
匂いに目が眩み酔いが回って、熱には熱を引き起こされる。
それでも最後の一線はと踏みとどまって理性を保つのに…。
「……馬鹿は玄斗だよ」
「っ……な、」
「あんな事しかけておきながら突き放すとか………私を好きだって言ってる様にしか感じられない」
「っ______」
「あんまりにもドキドキして…、熱出して寝込んじゃったじゃない。……会えなかった日の責任取ってよ」
耳に秘め事の様に吹き込まれた声音が聴覚を犯して、吹きかけられた息の熱さにキリキリと張っていた糸がプツリ…。



