あっ……冷たい。
……でも、温い…。
引いた手を追いかける様に添わされたハルの頬。
懐く様に掌に頬を寄せ、汚れることなど厭わないと言う様にすり寄って綺麗に微笑んでくる。
そう……綺麗……だな。
触れている白い肌も手触りが良くて、ひんやり冷たいのに触れていれば温かくて。
すべすべと滑らかで感触は柔らかい。
温めたら溶けだすんじゃないかと危惧するような繊細な生き物だなと感じてしまう。
いつも不思議だった。
こんなに長く一本一本が細い髪であるのに、何故こうも絡み知らずでいつも魅惑的に靡くのかと。
それを確かめる様に指先に触れている束を絡めて引き寄せて艶やかな質感を覚える。
全てが自分の生きてきた中には無縁であったもの。
女を知らないわけじゃない。
込み上げる生理的な欲求を満たす為の時間は幾度となくだ。
でも、どの女も作られた華美さで本質から綺麗だなんて思った事はない。
無駄に濃くて、無駄にきらびやかで、無駄に臭い……。



